ブライダルコーディネーター体験談
感謝溢れる式
2人が1番大事にしているもの
新郎も新婦も共に顔が広く、親族と友人知人すべてを数えていったら1000人以上になってしまったという2人。29歳の新郎は小学校からの幼馴染グループや仕事の仲間や後輩たちのなかでもいつも中心となる存在。新婦は引越しが多いのに、どこの街に行っても友達をいっぱい作り、それぞれの友情をずっと保っているのでどんどん増えていくんですね。
それだけたくさんの人間関係をつなげていくのは、簡単なことではありません。本当に友達想いで、気持ちを伝える努力を惜しまないからこそ出来ることなのだと思います。そして、今まで友情を示してくれた人たちへ結婚式を通して感謝を示したいというのが新郎新婦の願いでしたので、テーマは迷いなく「感謝」ということになりました。「感謝」を表すために何が出来るのか、考えながら一つ一つ決めていきます。
まず悩んだのが1000人以上を全員集めてまとめて「感謝」を表すのか?それとも思い切って少人数に絞ってしまうか?もしかしたら2人が演出よりドレスより何よりも悩んだのはここかもしれません。
悩みに悩んだ末に、250人ほど(それでも大規模ですが・・・)をお呼びして心を込めたおもてなしをし、そのほかの方々は別の時期に小さなグループごとに分けてパーティを行うことになりました。そのほうが一人一人に丁寧な感謝を伝えられる、との想いからです。
そこから始まった「感謝」の結婚式。「本当に隅々まで心配りが行き届いていた。」「素晴らしい式だった。」「こんなに温かい式は始めて。」という感動の声がたくさんあがるものとなりました。
感謝を形にしていく
「婚約しました」のお知らせカードも全国に発送することになりましたが、新婦がカリグラフィで書いた原紙を手差し印刷にしてもらい、個々のメッセージと宛名はすべて手書き!「腱鞘炎になりそう」といいながら頑張っていました。
ウェディングドレスは新婦のお母様が手作りすることになりました。フラワーガールのドレス、双方のお母様のドレス、お姉さまのドレスは新婦がシルクの布をプレゼントしてオーダーメイド。ブーケとフラワーガールのブーケ、そしてお母様たちの胸につけるコサージュはフラワーアレンジメントの先生である新婦自ら作ります。
さすがに会場装花だけはフラワーアレンジメントが出来るご友人に依頼したもののデコレーションは「自分たちが感謝を表すためにする結婚式だから」ということで前日の夜、新郎新婦と数人のご友人たちで何時間もかかって仕上げました。新婦はプロですから、仕上がりも万全です。アイボリー色のオーガンジーの布をたっぷり使って飾り付けた会場は落ち着きと優しさと品格を併せ持った素敵な式場になりました。
感謝の心が通じた時
司会者も幹事も入場曲のバイオリンとピアノの演奏者たちも、ティーパーティーのケーキを何十種類も作ったパティシエも、歓談中のBGMをずっと生演奏してくれたピアノ奏者も、アカペラコーラスをした7人組も、フルート奏者も、全員2人の親しいご友人の皆さん。さすが半端じゃないご友人の数、様々な能力を持った方たちが揃います。皆さんそろいも揃って「新郎新婦のためになにかしたい!」と申し出てくださった方ばかり。友達を大切にする人は友達から大切にされるということを痛感させられます。
パーティの間中、出演者もゲストの皆さんも思い思いに楽しんでおられました。ゲストのリクエストに次々と応じるピアニスト、楽器の音色にうっとりと耳を傾ける方たち、美味しいケーキを手におしゃべりに花を咲かせる方たち、2人の小さな頃の話を披露して笑いの渦を起こすご両親・・・どこもかしこも幸せそうな笑顔がいっぱいでした。
新郎新婦の「感謝」のこもったおもてなしでみんなを喜ばせたい、という願いが実現していたのです。ティーパーティの帰りには多くのゲストが感動の涙を流していました。
引出物は新郎新婦が自らテイスティングを重ねて配合したオリジナルフレーバーの紅茶とカップ&ソーサーとお花です。「今日は来てくださって本当にありがとうございました。お出かけの疲れを美味しいお茶で癒してください。」という気持ちを込めて。ご友人たちと抱き合ってお別れしたあとはご家族とご親族だけのお食事会に移動です。
祝福と感謝と・・・
年配のご親族には座る位置が高く硬い椅子ではなく、ゆったりと座れるソファタイプの椅子のほうがいいだろう、との配慮で選ばれたのは、アールヌーボーのインテリアがシックでおしゃれなホテルのラウンジでした。東京湾に映る夜景が美しい場所での和やかなお食事会となりましたが、新郎新婦は全てのテーブルに丁寧に挨拶して回り、とくに九十を超えるお歳の新郎のお祖父様のところでは両側に座り手を取って感謝を述べました。
そこでお祖父様がポケットからおもむろに取り出して浪々と詠い始めたのは、2人を祝福する俳句!このサプライズには2人も涙が止まらなくなってしまいました・・・。
ウェディングを終えて、新居を整えるよりも早く2人がしたかったのは、やはり感謝状を送ること。遠くから足を運んでくれたこと、ケーキを焼いてくれたこと、温かい言葉をかけてくれたこと・・・すべてを心を込めながら手書きでしたためていました。どこまでも感謝の厚い2人でした。

